これは夢か?

早稲田大学にはたくさんの楽しい思い出がありますので、いくつか紹介したいと思います。
まずは試験当日。早稲田合格のために長期間猛勉強し、入試に挑みました。理工学部の校舎で受験をし、たしか最後の科目だった英語の試験のときです。順調なペースで解いてきたと思い、残り時間はあと5分。終えたと思ったら試験問題の最後の2ページに英語の長文がびっしり。「げっ!あと5分しかないのにこんなに‥」と思い、サーッと血の気が引きました。そこで不思議な現象が。血の気が引いた後、なにか熱いこみ上げるものが体中に戻り、体が熱い。ハッと我に返り、「長文を読まねば」と思い、目を通す。5分では絶対終わらない分量。究極のナナメ読み。文章の意味はほぼわからない。しかし、問題を読むとなんとなく答えが浮かんでくる。


‥これは夢か?


そんな状態で浮かんだ答えを書き、英語の時間を終えました。こみ上げた熱は終了と同時にサーッと引き、「今のは何だったのだろう」と思ったのですが、あとで答え合わせをしたら、その長文問題の箇所をなんと全問正解でした。文章の意味はほとんど取れていなかったのですが、何かが降臨したのでしょう。奇跡ということもあるのだなと思いました。そんな運もあり、自己採点上では五分五分かもしれない、と希望をつないだまま。合格発表前日になりました。第1志望の学校であったので、発表前日の夜は緊張して朝まで眠れませんでした。ようやく寝たのが朝6時頃でした。

朝9時頃、急に母に起こされ、「アンタ、お父さんから電話だよ」
私「‥んあ?親父から?何だよ。」
と猛烈な眠気とともに体を起こして電話口まで行き、「ぬわぁに?」と言葉にもなっていない口調で話しました。すると
父「合格していたよ」
私「‥ん?は?‥へ?」
父「早稲田。合格しているよ」
私「‥‥ええええええ!!!!合格?っていうか親父なんで早稲田にいるの?」
父「ちょっと仕事で近くを通ったから、じゃあまたね、ガチャ‥ツーツー」


‥これは夢か?


いや、夢じゃない。確かにあまりに突然のことだったので、状況をつかむのに時間かかかりました。一気に目が覚めた私はすぐに着替えて1時間半かけて早稲田大学へ。自分の受験した学部のボード前へ。自分が到着したのはだいぶ遅かったようで、まわりにはほとんど人がいませんでした。そこで受験番号が書かれた用紙とボードの数字を照らし合わせて「おお‥本当に番号がある‥やった~」と小さくガッツポーズをしました。すると、背後からドカドカした音が。振り向くとアメフトのフル装備をした人たちが15人ほど私を取り囲みます。あっけにとられる私。

アメフトの人「君、早稲田合格したの?」
私「‥ええ、あ、はい」
アメフトの人「おめでとーーー!!」

と同時に15人ほどが押し寄せ、私はなぜか高々と胴上げをされました(笑)。人生初の胴上げ。宙を舞う。バンザイを2回ほど。気持ちいいではないか。ふと思う。


‥これは夢か?


いや、夢じゃない。胴上げが終わり、地に足をつけたときに現実であることを実感。その後、「うちのサークルに来ないかい?」と勧誘されました。パンフレットを渡され、リーダーの人の名刺を渡され、「ぜひ連絡ちょうだいね」と言われました。「これが大学のノリか‥高校にはないノリだ。いいなあ~」としみじみ実感した瞬間でした。入学式の日もさまざまなサークルから勧誘を受けまくり(笑)、悩みに悩んだ挙句、ボーリングサークルに入りました。練習量は1日6ゲーム!ゲームが始まるまえにフリータイムとして5分間投げまくってから練習が始まります。みなさん上手だからボールが曲がる曲がる。私は直球勝負だ、とよくわからない意地を持ってボールを曲げずに練習していました。今思えば単なる強情な奴ですが、自分の好きなスタイルで上達したらいいじゃないかというスタンスのスクールだったので、とても居心地がよく、楽しませてもらいました。1年ほど練習したらアベレージで180近くいくようになり、上達する楽しさも経験しました。

また、心理学を楽しく勉強するというサークルにも入っていました。大学4年生の頃、高田馬場のBICBOXでの飲み会で盛り上がり、それほどお酒を飲んでいませんでしたが、あまりに楽しい雰囲気だったので、いつも以上にお酒の回りが良すぎたのでしょうか。だんだん夢見心地になってきました。「楽しいなあ‥」‥‥ふと気が付くといつの間にか1人で実家(相模原)の近くを歩いています。右手にはアイスクリームが。


‥これは夢か?


途中まで夢を見ていたのかもしれませんが、高田馬場から相模原までの記憶が全くありません。どうやって電車に乗ったのかわかりませんが、無意識に家に帰ってきたようです。ふと右手のアイスクリームを見て「これはちゃんと買ったのか?」と不安になりました。左手を見るとコンビニの袋が。「ああ、良かった。ちゃんと買ったのか。‥でも本当に買ったのか?」やはり不安に思い、右後ろのズボンのポケットを探るとレシートがあり、ホッとして帰宅しました。それから、飲み会のときは意識を飛ばさないように気をつけています。

勉強のほうはなんとか単位は取ろう、というスタンスで、受講した授業は出席するようにしていました(当たり前)。同じ中学、同じ高校に通っていた親友が一浪した後に早稲田に入学してからは2人で曜日や時間を合わせて行くようになりました。ある日、2限の授業(確か10:40スタート)に合わせて電車に乗ったら思いのほか早く到着しすぎて9:30に到着。学食で朝ごはんを食べながらしゃべっていました。なぜか日本の未来の話になり、トークが白熱してきました。気が付くとなんと13時!2限の授業のことをすっかり忘れた2人。朝ごはんプレートのキャベツもしおれていました(笑)。しかもこの日は2限の授業しかなく、「しゃべりに学食まで来ただけじゃん、日本の将来とか話していながら授業忘れて自分の未来が危ないじゃないか」と笑いながら一緒に帰りました。その友達は不思議な縁があり、現在の職種まで同じです。今でもたまに会って昔話に花を咲かせています。

早稲田大学合格に向けてこなした勉強量は相当なものでした。道のりは決して平坦ではありませんでしたが、入学したあとの楽しさ、得るものと比べると、やっておいてよかったと思います。早稲田大学は合わない人がいないほど楽しむ選択肢が存在していると思いますので、勉強が辛くてもぜひ早稲田を目指してほしいと思います。絶対楽しいから。猛烈に頑張る価値がある学校です。応援しています。頑張ってください!!