空気感

9回の裏、ツーアウト満塁。得点は4対4。一打出ればサヨナラのチャンスです。ピッチャーの西田、第2球を投げた・・・打ったーーーーー!! 大きい、大きい、大きい、入ったーーーーー!!! サヨナラホーーーーームラン! 早稲田、慶應にサヨナラ勝ちをおさめました!
 これは私が初めて見た「早慶戦」のワンシーンです。東京六大学野球の早慶戦は、入学して初めて「ワセダ」を体感できる一大イベント。チケットを取るために徹夜で並び(今は「徹夜禁止」らしいです)、眠い目をこすりながらエンジ色のメガホンを握り、得点が入るたびに「紺碧の空」を歌い、そのあとは新宿に繰り出し打ち上げに・・・。「紺碧の空」というのは、早稲田大学の第一応援歌。興味ある方は是非聞いてみてください、なかなかカッコイイ曲ですので。You Tubeで検索すれば出てくると思います。
 ともかくこの早慶戦、野球を知っているとか、野球に興味があるとかはあまり関係ないんです。往年の名選手をしっている早慶戦通のOBも、「そもそも『六大学』ってどこの大学?」っていう他大学の大学生も(早稲田のサークルには他大学の学生もたくさん入っています)、みんな一緒に応援する。この空気感がいいんですよね。ちなみに、冒頭でサヨナラ満塁ホームランを打ったのは、当時人間科学部の4年生だった仁志敏久選手。巨人や横浜ではレギュラーとして活躍し、今は「すぽると!」などで解説者として活躍されています。
 卒業してからは一度だけ、サークルの後輩たちと早慶戦を見に行ったことがあります。残念ながらその試合、早稲田は慶應に大敗しましたが、「やっぱりこの空気感、いいなぁ~」と感じたのを覚えています。ちなみにこの試合で、他の選手と違ってひときわ鋭い打球を飛ばしていたのが、慶應の高橋選手。そう、今も巨人で活躍しているあの高橋由伸選手です。
 早慶戦以外にも、早稲田はスポーツが盛んです。1月の箱根駅伝を見ているときも、胸に「W」と書かれたエンジ色のユニフォームを見るとつい興奮してしまいます。早稲田を応援して「ワセダ」を感じる。卒業してもなおその魅力を感じている今日この頃です。