思考と創作の日々

 私の学生生活を一言でまとめれば、思考と創作の日々であったように思います。
 私は理工学部建築学科の学生であると同時に、稲門シナリオ研究会という映画サークルの自主映画監督であり、役者でもありました。私はいつも良いアイデアを探していて、またそれをアウトプットするために模型を作り、図面をひき、脚本を書き、絵コンテを描き、セリフを覚えていました。映画を浴びるように観て、文学作品を手当たり次第に読みました。大学の近くにある早稲田松竹という映画館には数えきれないほど足を運びました。

   そんな生活を送っていても、早稲田大学では浮きませんでした。むしろそれが早稲田生のスタンダードといっても過言ではないと思います。学生教員含め、早稲田で出会った人々の多くが変わり者で、だからこそこのような環境下で、彼らは水を得た魚のように活き活きとしていたのだと思います。皆が皆、何かのきっかけを探していて、人が集まれば自然発生的に激しい討論会に発展しました。早稲田大学には、多様性を受け入れる土壌が確かにあります。またそれは早稲田大学が存在し続ける限り普遍であると考えています。

   現在、早稲田へ入学することを目的とし一所懸命に頑張っている皆さんに願うことは、来春全員が無事に入学し、早稲田が単なる「目的」から、自分が描いた理想像を実現するための「手段」として確実に移行していくことです。最後まで、頑張っていきましょう。