早稲田で過ごした日々を振り返るという行為自体、本当にひさしぶりですが、腰を据えて改めて思い返してみると、本当に様々な出来事が思い浮かんできます。
一人暮らしをしている友達の家で、毎日のようにウイニングイレブンとパワプロに興じていたこと。高田馬場に向かう道のわきにはラーメン屋が所狭しと並んでいるのですが、そのラーメンのほぼすべてを食べたということ。400人程度入る文学部の教室で、なぜかホラー映画を見てレポートを書いたこと。レポートの課題を友達とカンニングし合って提出したら、「カンニングしているんじゃねぇ馬鹿野郎」と書かれて返却されたこと。(ちなみに僕は単位を取れましたが、友達はなぜか単位を落としてかなりヘコンでいました)。作家の方が小説の書き方について指導する授業で、小説における「一行空き」について、毎週熱弁されていたこと。語学の試験の前日には大学近くにあるファミレスで友達と朝まで勉強し、明け方にみんなで吉野屋を食べたこと。大学では勉強するぞと意気込んで、「現代文学会」というかな~りお堅いサークルに入ったのですが、武田泰淳について熱弁する女子にひいてしまったこと。演劇サークルに入ったのですが、劇団とは思えるほどに筋トレの量にひいてしまって挫折したこと。一時的に入っていた映画サークルでは、暑さに理性を忘れて叫び狂う歯医者を熱演したこと。四六時中カラオケにいってはサザンオールスターズを歌っていたこと。なぜか早慶戦は一度も観戦にいかなかったこと。友人に誘われて、初めて行った海外旅行がなんとパキスタンになってしまったこと。やりたい職業を意識したのは大学三年生からで、もっと勉強しなければならないと思って大学院に行ったこと。
大学院ではさすがに勉強しましたよ(とはいってもサークルは途中でやめてしまっていたので、三年に上がるころからは徐々に真面目になっていったと思います。つまり、先述の様々なエピソードはほぼすべて二年生までの思い出ということになります)。根本的に言語ってなんだろうということに正面から考えた、今から思えばかけがえのない二年間だったと思います。そこではもう、様々な人がいました。人生をかけて谷崎潤一郎を研究している人。現代日本語の品詞の分類の仕方に新たな考えを提唱していた人。人はなぜ笑うのかということを言語学的な観点から研究している人。隠喩と換喩の違いを論理式で説明する人。等々。
早稲田の思い出をとりとめなく書こうと思って書いてみたら、ざっとこんな感じになりました。書きだしてからここまで、正直10分くらいです(笑)決して、手を抜いて書いているわけではありませんよ!!ただ、つらつら書いてみると、つらつらと書けてしまう自分に驚いてしまう。早稲田ってそんな大学なのかもしれません。もしからしたら個人的な事柄が多すぎて、早稲田大学そのものがどういうものかというイメージはあまり伝わらないのかもしれませんね(笑)でも、これはこれでありなのかなと。早稲田大学に関しては。何かこういったとりとめのないことを「思い出」として語ることが許されてしまう大学、それが早稲田大学なのではないかと思います。
とにかく自由です。大学に入ってみんなは解き放たれます。ただ早稲田がの場合、その自由度、解き放たれ度が圧倒的に高いような気がします。人生を創造できるような四年間なのかもしれません。そこで出会うすべての出来事は、みんなカオスです。そこに秩序を与えて、道を切り拓いていくのはみんな自身です。
そのためにも、これからの一年間を本当に、気合いを入れて乗り越えていこう。